CSの本質

事業・商売の本質とは?そしてCSの本質とはいったいなんだろう?。

A社は売り上げがあがっている。B社は売り上げがあがっていない。
両社ともCという商品を売っているとしよう。基本的に商品に差別化されていないとする。
そして両社ともこの商品を全く同じ価格で売り出した。顧客はどちらを選んでもいい。つまり無差別状態である。しかし、A社が売れ、B社は売れない。一体差は何なのか。

一言でいってしまうと、A社とB社では商売と商品の認識が全く違うのだ。A社はC商品ではなく、顧客はサービスを買っているということを知っていて、B社はそれを知らない。
本当の商品は商品そのものにあるのではなく、そこからプラスされる付加価値の部分であることを認識している。またはその付加価値自体を「商品」として認識しているか、どうかだ。この「商品」とは一体何か。実はこれこそが、CS(カスタマーサティスファクション)だ。

さて、そこでCSという課題だ。自分自身、以前から「顧客満足」度ということでは、その本質を理解できていなかった。CS?・・・。顧客満足?・・・・。ボランティア精神か?どんなにコストをかけようと客を喜ばせようとしたら、事業として成り立たないのではないか。どこまでも顧客のイエスマンになればいいというのか。企業の目的である利潤を得ることなどCSからはできるのか。疑問だらけだった。CSとは何なのか?本来の顧客満足とは何か。どうしてCS、CSというのか。

しかし上の事例をよく考えるとCSの本質が見えてくるのだ。
CSというのは商品そのものなのだという視点でみてみよう。我々は商品を売っているのではなく、顧客満足を商品として売っているということ。商品とはたまたまCSを乗せた単なる媒体として見ることなのだ。企業としてCSとは、本来結局のところハードを売っているようでいて、本来は満足を売っていて、顧客は満足を買っているのだ。
CSをやろうとか、CSを売ろうという発想をしてみよう。つまり、「それでは満足を売るためにはどうしたらいいか」と考えると、商材や事業の発想が広がる。顧客満足を商品にするという発想をすると、それを乗せる媒体=ビークルは極端にいうと「何だって」いいわけだ。

CSとはボランティア??とんでもないことだ。これこそが、究極のビジネスなんだということ。競争力の根幹なのだということだ。商品の差別化が困難な時代、CSとは最大の武器だ。CSこそが「差別化」の本質であり、企業間の競争力の差につながるわけだ。

もしかすると、同じ価格で売っていないかもしれない。A社の方が高いかもしれない。しかしA社が売れているかもしれない。なぜか。顧客はCSを買っているからだ。CSの分に金を払うのだ。